前回より、お尻が濡れたことに飛び起きた夜、羊水だと確信して病院へと急ぎました。どうなってしまうんだろう…不安と何とかしないとというアドレナリンが混じった夜中のお話です。
「なぜ気づかなかったのか」知らんがな、が正直なところ
病院に到着すると夜間緊急入口より入るなり、警備員さんが病棟に連絡してくれエレベーターのところまで看護師さんが車椅子を持って来てくれていました。すぐさま検診台に乗せられエコーを開始、当直医の先生は怒っているように見えました。
👩🦰当直医「何度も張りが来てますよね?気づかなかったんですか?」
👩私「今日初めて強い張りを感じましたが、それまではほとんどなかったです。担当医にも張りについてはたまにあるとは伝えていました。」
👩🦰当直医「鈍いのかな…。」
オィ、夜中やからって言い方ってあると思うよ。そう思いながらとにかく助けてもらわねばならない身としては黙っているしかなかった。
直前の検診で張りのことやおりものの違和感も担当医には話していたのに。
正直「知らんがな」という気持ちでいっぱいでした。
夫さんに対しては、ほれ見たことかという怒りさえ沸々と湧いていました。
コロナ禍、一人で迎えた夜。止まらない羊水と願い
病室に移動になると夫さんとは別れました。夫さんは現在の詳しい状態と入院手続きがあります。元々夫さんとは別行動が多いから孤独感はほぼなかったですが、赤ちゃんたちがどうなってしまうのかという不安が大きかった。
病室でまずリンデロンという注射を打たれ、ウテメリンという点滴も開始に。
絶対安静であること、トイレだけは今のところ許可されていることを簡単に教えてもらいました。
テンパってる妊婦に届く最低限の情報だったと思います。
ベッドに着いたのは0時半くらい。家で破水だと気づいてから1時間以上経っていました。
寝てくださいと言われても、動揺していて眠れるわけがありません。ドキドキが止まらない。そう思っていたら夫さんからメッセージが、
👨🦱夫さん「リンデロンっていう注射は、双子の肺を中心に臓器の成熟を進めるため、24
時間後にも一回打つからね。ウテメリンは張り止めって知ってるやろ〜。」
と、今受けた処置内容を教えてくれました。そうか、ウテメリンか!私はウテメリンの副作用
で動悸を感じているのか、動揺しているドキドキなのかわからなくなりました🤣
そして、眠れないままとりあえず横になっていると、じわじわとお尻を伝う感覚があります。
生理とは違う感覚。生理用ではなく悪露パッドをつけていましたがトイレに行く度、血の滲
んだ羊水がついていて止まっていないことを思い知らされました。
どうにか止まってほしい。帰れるもんなら帰りたい。薄い期待だけを願うしかありませんでした。
「ストッキングを被ったような状態」1番ちゃんのために動かないと決めた
👱♂️担当医「1番の子が今、完全破水って言ってほとんど羊水がない状態でお腹の中にいます。
『ストッキングを被っている』みたいな感じかな。」
👩私「!!?」
翌日、担当医の先生が病室にして改めて症状を話してくれました。その事実があまりに衝撃的!
そして、検診ではまだ区別するような呼び名ではなかったのに1番2番と呼ばれていたことに
も驚かされました。
👩私「絶対しんどいやつですよね?!」
👱♂️「すぐに出さないといけないことはありません。むしろこの状態でもお腹の中にはいた方が
いいんです。そして、羊水はお母さんが動かないことで溜まりやすくなります。私たちが
今できることは、できるだけの環境でお母さんのお腹の中で育てていくことです。」
👩私「やっぱりこの前言っていた張りとおりものの違和感が兆候だったと考えられますか?」
👱♂️担当医「そうかもしれませんが断言はできません。これからのことを考えましょう。」
焦りと怒りが混じった私に先生は落ち着いて話をしてくださいました。
確かになってしまったものは戻せない!今からできるだけお腹にいてもらえるようにしよう。
動かないことが、この子たちを助けることにつながるなら!
と、極力動かないことを心に誓いました。
足浴の温かさと、ベッドの上で考えたこと
私がいた”母体胎児集中治療室”(MFICU 通称MF)は大きい1フロアの中心にナースステーションが
あり、それを取り囲むようにベッドが並んできました。ベッドのすぐそばにはシャワーとトイレの
ブースがあり、カーテンとブースで個室に近い環境だったと記憶しています。
病棟の看護師さんたちはとにかく優しく温かい方ばかりで、とても心地よく過ごさせていただきました。特にありがたかったのは”足浴”でした。足だけでもと温めてもらえる気遣いにいつも感激していました。
ベッドでは今しかないとばかりに読めていなかった漫画や見られていなかったドラマなどを見て過ごしました。何かに夢中になっていないと不安に押しつぶされそうになる。家に残してきた娘のことを思うと心が潰れそうになる。でも、今私が動くわけにはいかない。何か理由がなければじっとしているのも辛い状況でした。
娘はというと、夫さんから毎日気丈に過ごしていると聞きました。テレビ電話を繋いでも早く帰ってきてねと言いながらも笑ってバイバイしてくれていました。ホンマやったらもっと一緒にいられたはずの娘。こんなことになってごめんね。
ベッドの中では検診中に看護師さんに言われたことが頭をよぎりました。
『双子は双子を育てられるお母さんのところにしか来ないからね。頑張ってね。』
盛大にホンマにそれウチやったか?!と一人でツッコミました。
もっと体の丈夫な人、夫さんが献身的なご夫婦、考えれば考えるほどウチじゃなかったんでは?
と思えて仕方なかった。
ただ本当にラッキーだったのは嫌な予感に忠実に両親が来てくれていたことです。
両親がいなければここまでスムーズに入院もできなかったし、娘も笑っていられなかったと思います。両親は夫さんがいない間の家事や娘の送迎など家のことほぼ全てを担ってくれていました。
私が入院した次の日の朝、父がしっかりせんとな…!と両頬を叩いて鼓舞していたことも夫さんから聞かされ、心配させてしまったという申し訳なさでいっぱいになりました。
どうにか全員無事に退院する!それしかない。それしかなかったのです。
私にできることは、じっとしていることだけだった
緊急入院して、たった2日で色んな思いや考えが浮かびました。
私にできることは”じっとしていること”
ただそれだけやけど、二人の命がかかった大仕事に挑んでいる気持ちでした。
