ケダモノ

〜授かること④〜

この頃のワタシは授かることにとてつもなく執着していました

婚期が遅かったことも不摂生も全部棚の上に押し込めて

なぜできぬ?

ただそれだけに執着して

毎月 毎週 毎日

怒りと悲しみが日常のほとんどに覆っていきました

こうなると一番の被害者は夫さんです

毎日精神的に不安定な妻

夜勤明けだろうが何だろうがタネを求める

ある日、夫さんは口を開きます

夫「宝くじみたいだから楽しいんだよ」

夫「そんなんじゃ獣っていうよりケダモノだよ」

”ケダモノ”という強い言葉で冷静になって欲しかったのかもしれません

でもまだワタシは目が覚めません

時間がない

不妊治療もしないと言われた

ワタシはそんな悠長なことは言ってられない

ワタシ「治療も出来ないのにどうしたらいいっていうの?」

全力でぶつかりにいきます

夫「僕は二人でも十分幸せ。それ以上の幸せを無理にもぎ取ろうとしたら来るものも来てくれないよ」

ワタシ「科学的じゃない」

夫「人の体は科学が全てじゃないよ。生き物ってわからないんだから」

この温度差埋められそうにない

ただケダモノになってまでしなければならないことか

二人でいる意味はこれだけか

やっと少し冷静になる瞬間が訪れました

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